匠へのインタビュー 有限会社 合場金属様 京滋インテリア協会〔京滋インテリア協会〕


~袈裟匠 櫻井~
伊 さ く

第二回目である『匠インタビュー』は 櫻井 一夫様。
袈裟匠 櫻井「伊さく」さまののれんをくぐらせて頂きました。

中に案内して頂くと、店内に三方びっしりと織物や商品の入った棚が煌びやかに
積まれていました。
その中心にお仕立ての職人さんが、静かな佇まいで美しい織物を前に手を動かされていました。

代表の櫻井一夫様のお話によれば
「伊さく」さまは独自の発想でデザインをなさり、オリジナルの文様を作品とされているそうです。

正倉院文様から復元し、現代まで受け継がれた伝統工芸である主に袈裟をてがけてらっしゃいます。

袈裟には大きさで【小中五條袈裟】【中大五條袈裟】【大七條袈】があり
大きさの違いは用途によって変わるとのことでした。
法要や大きな儀式は大袈裟 1.2m×2.0m と驚くほど大きな作品です。

袈裟の文様配置は大きな織物布を切りこんで『柄』としていく工程(パッチワーク)。

この区画は田相と表し、七つに区分されます。また、それは宗派によっても違うとのことです。
伊さくさまは主に、浄土真宗、本願寺派を手掛けていらっしゃいます。

色柄の古典色を出すことが出来るのは、経験からの微妙な感覚が生むもので、それが作品になるまで1~2年かかるものもあるそうです。
そして、その経験値は櫻井様の引出しの多さ・・・頭の中はまるでコンピュータのようです。
ご本人曰く、だからこそこだわりの作品が出来るとのことでした。

千年の歴史・・・伝統美の世界!
その時代、時代に応じた美意識を重ねて文様やデザインを生み出し、トータルコーディネーターとして日本中の仏道関係者の方々からのご注文を受けていらっしゃるのは必然であり、
仏道界のみならず、大変貴重な存在であることは間違いありません。

京滋インテリア協会 広報委員